No.2 ハムストリングスの肉ばなれに対して

当院は陸上選手に多くお越し頂きます。

短距離・跳躍選手はハムストリングスの肉ばなれを受傷し来院することが多いことから、肉ばなれ後の応急処置や復帰についてお話します。

 

○まず、発生機転について。

・加速時やトップスピードでの走行時、

・過度な牽引ストレス(ストレッチ)が加わった時

などに痛みを感じた場合、ほとんどの場合は肉ばなれと考えて対処した方がいいです。

重症度によって症状は大きく異なり、軽傷の場合は練習やレースができてしまうこともありますが、安静をすることが許す状況であれば、すぐに前述のRICE処置に移行した方がいいでしょう。

軽傷の場合こそ数日間の安静(Rest)を取ると予後が良いです。

重症度が高くなると動作が困難なため、すぐに応急処置に移行します。

 

○次に、応急処置について。

重症度に限らず、冷却(Icing)、圧迫(Compression)、挙上(Elevation)をしましょう。繰り返しの回数は重症度によって異なります。

狙いはいくつかありますが、一番は「損傷部位の内出血の量を最小限にしたい」からです。氷がない場合は圧迫だけでもいいので、損傷部をしっかり押さえておきましょう。

すぐに復帰したい、次の大会に間に合わせたいなど、復帰期間に期限がある場合は特に病院の受診をお勧めします。

 

ご存知とは思いますが、禁忌事項は下記です。

 ・運動しない

 ・ストレッチしない

 ・直後は温めない

 

 

○急性期後から復帰について。少し…

「痛みがない」→「競技ができる」ではありません。

ここを間違えて再受傷をしてしまう選手を多く見かけます。

「痛みがない」からリハビリが始まります。

*ストレッチ

*ストレッチに負荷をかける

*筋力トレーニング

*ジャンプ

*バウンディングやポッピング

                            etc.

患部の修復完了、患部と周囲の筋の強化、患部を含めて周囲や全身の協調性の回復、筋収縮のスピードの回復など十分に機能の再習得が見込まれてから、競技復帰をしましょう。

それが「単に走れる」ではなく「速く走れる」への近道です。

 

 


No.1 応急処置(RICE処置)

 

捻挫をしてしまった…打撲をしてしまった…

こう言ったケガは「腫れ・熱感・発赤・痛み・運動時痛」と言った炎症症状が出ます。そんな時は、RICE処置です。

*慢性的なケガは症状によりますので、ご相談ください。

 

迅速なRICE処置→円滑な復帰

 

Ë  Rest(安静)

すぐに運動(患部へのストレス)を中断して、患部を休ませましょう。運動を続けると完治までの期間を長引かせてしまう可能性があります。

Ë  Icing(アイシング)

炎症症状を最小限に抑え、早く退かせるために重要です。この後の圧迫と一緒に患部に流れる血流を抑えます。方法は下記です。

Ë  Compression(圧迫)

急性傷害の多くでは大小含めて内出血・腫れが出ます。迅速に圧迫することで、最小限に抑えます。現在はかなり重要視されています。

Ë  Elevation(挙上)

心臓より高くして、患部への血流の流れを少なくします。これは上記と同じように出血や腫れ最小限に抑えるためです。

 

   氷のう、もしくはビニール袋に氷を入れます。なるべく空気を抜いて密封すると氷と患部が密着します。

   表面が溶けている氷を使用しましょう。溶けていない(手にくっ付いてしまう)氷は凍傷の恐れがありますので、少量の水を一緒に入れると予防できます。

   15分〜20分程(皮膚の感覚がなくなるまで)を1回としましょう。

   アイシングを行なっていない間はバンテージ・パット等で患部を圧迫します。

   皮膚の温度が戻ったら次のアイシングを行います。

   受傷直後は熱感が強い為、直ぐに切り替えて行く必要があります。

   受傷後23日は急性期になり、その間は継続しましょう。

   患部の炎症感が落ち着いてきたら(亜急性期)、状況に合わせてですが、温めたり、軽負荷で動かしたりして患部の血流をよくして行きましょう。

 

 

怪我はもちろんしない方が良いですが、万が一してしまったら…

損傷を最小限にして、きれいに直して行きましょう!